「見た目を気にせず矯正したい」と思って裏側矯正を検討する方は多くいらっしゃいます。
装置が見えないことから、仕事や人間関係への影響が少ないという魅力もあり、特に大人の女性を中心に選ばれています。
一方で、インターネット上では「裏側矯正で後悔した」といった声も多く、「痛みが強かった」「発音しづらい」「仕上がりに満足できなかった」といった体験談も見受けられます。
裏側矯正には確かに注意すべき点があるのは事実です。しかし、すべての後悔が「治療法そのもの」に起因するわけではなく、多くの場合は「設計の精度」「医師の経験」「装置の選定」によって結果が大きく変わります。
この記事では、日本矯正歯科学会認定医の小田垣院長が、これまで裏側矯正を数多く手がけてきた歯科医師の視点から、「後悔の原因」と「後悔しないための選び方」を徹底的に解説します。
裏側矯正で「後悔した」という声の実態
裏側矯正は「見えにくい」という審美的な利点から、特に大人の女性を中心に選ばれていますが、その一方で「後悔した」と感じる方が一定数いるのも事実です。インターネット上では、「痛みが強かった」「発音が気になった」「思ったような仕上がりにならなかった」といった声が散見されます。
しかし、そうした“後悔”の多くは、裏側矯正という治療法自体の欠陥ではなく、「治療計画の設計」や「装置の選定」、「医師の技術力」といった要素に左右されるケースが大半です。
ここでは、裏側矯正で後悔しやすいポイントを6つの側面から整理し、それぞれの背景や回避策について解説します。
1.「痛みが強かった」「違和感が取れない」
裏側矯正では、装置が歯の裏側＝舌に近い位置に装着されるため、治療初期には舌にワイヤーが当たって痛みを感じたり、常に異物感を覚えることがあります。とくに発音時に舌が装置に触れることで、会話のしづらさを感じる方もいます。
このような違和感は、多くの場合1〜2週間ほどで軽減されていきますが、装置の形状や固定方法、患者様個々の舌の動きのクセによっては、慣れるまでに時間がかかるケースもあります。経験豊富な歯科医師であれば、痛みや違和感を最小限に抑えるよう装置を調整することも可能です。
2.発音しづらく、仕事に支障が出た
「話しづらくなった」「滑舌が悪くなった」といった声も、裏側矯正の後悔ポイントとして多く聞かれます。特に営業職や接客業など、会話が多い仕事をされている方は、発音の変化がストレスとなりやすいです。
裏側矯正では、舌の動きが制限されるために「さ行」や「た行」の発音が変わることがあります。ただし、装置に慣れることで発音は徐々に回復する場合が多く、また発音トレーニングや一時的な対策によって改善が可能です。仕事への影響が気になる方は、事前に歯科医師へ相談し、装置の配置や形状に配慮してもらうことが大切です。
3.治療期間が思ったより長引いた
裏側矯正は、装置の取り扱いが難しく、歯の動きをコントロールするために緻密な調整が必要です。結果として、表側矯正に比べて治療期間が延びるケースがあります。
また、途中で装置の破損や脱離があった場合、再装着・調整に時間がかかり、予定より治療が長引くこともあります。とくに治療経験の浅い医院では、計画の見直しが発生するケースもあり、医院選びが治療期間にも影響を与える点に注意が必要です。
4.装置が壊れやすく、何度も通院した
裏側装置は舌の動きや食事中の衝撃を直接受けやすいため、ワイヤーが外れたり、ブラケットが破損することがあります。とくに、硬いものを噛んだときや、歯ぎしり・舌癖がある方は破損のリスクが高まります。
装置の不具合が起こると、都度の修理や再調整が必要となり、通院回数が増えることも。装置の耐久性や設計の工夫、患者様自身の生活習慣への配慮によって、こうしたトラブルはある程度予防可能です。
5.仕上がりに満足できなかった（歯列・横顔など）
「歯並びは整ったけれど、口元が気になる」「横顔が理想と違った」といった“見た目の仕上がり”に対する後悔は、裏側矯正ならではの盲点でもあります。
審美性を重視する裏側矯正では、歯並びだけでなくEラインやスマイルラインといった顔貌バランスの調整が欠かせません。しかし、医師の設計力が不十分だと、結果的に「整ってはいるけれど満足できない」状態になりかねません。
当院では、事前に口元や横顔の変化も含めた3Dシミュレーションを行い、歯列と顔貌のバランスを総合的に設計しています。
6.料金が高かったわりに満足感がなかった
裏側矯正はオーダーメイドの装置を使用することが多く、費用は表側矯正の1.5〜2倍程度になるケースもあります。そのため、「これだけ払ったのに期待した効果を感じられなかった」といった心理的ギャップから後悔する人もいます。
この背景には、「仕上がりのイメージが不明確だった」「途中で治療内容が変更になった」などの要因が潜んでいることも多く、事前にしっかりとした説明を受け、費用と成果のバランスを把握しておくことが重要です。
裏側矯正が「おすすめしない」と言われる理由
インターネット上では「裏側矯正はおすすめしない」といった記事や体験談を見かけることがあります。これらは一見すると裏側矯正の否定のように見えますが、実際には「患者さんが内容を理解しないまま始めた」「医院選びを間違えた」といったケースに起因していることが多いのです。
裏側矯正は確かに高度な技術を要し、装置の精度や設計の影響が大きいため、選ぶ医院によって治療の質に差が出やすい治療法です。ここでは、「おすすめしない」と言われる背景にある6つの理由を、客観的に解説します。
1.治療の難易度が高く、医師の腕に左右されやすい
裏側矯正は、歯の裏側という視野の取りにくい場所に装置を装着するため、操作そのものが難しく、治療計画の設計にも高度な技術が求められます。加えて、装置の微細な調整が仕上がりに直結するため、経験の浅い医師が手がけた場合、歯列や噛み合わせに意図しないズレが生じてしまうことも。
日本矯正歯科学会認定医であっても、裏側矯正の経験が豊富な医師でなければ対応が難しい症例もあります。医院選びの際には、「裏側矯正に精通しているか」「症例数は十分か」といった視点で、治療者の実績を確認することが重要です。
2.費用が高くなりやすい
裏側矯正は、カスタムメイドの装置や専用のワイヤーを使用することが多く、表側矯正と比べて費用が高くなる傾向があります。一般的には1.5〜2倍の費用がかかるケースもあり、経済的な負担を理由に治療を断念する方も少なくありません。
また、途中で追加の処置や調整が必要になった場合、想定以上に費用が膨らむ可能性もあるため、契約前には必ず総額・追加費用の有無を確認しておきましょう。
3.対応している医院が少ない
裏側矯正は技術的な難易度が高く、すべての矯正歯科で対応できるわけではありません。そのため、希望しても受けられない、あるいは装置や設計に制限がある医院にしか選択肢がないという状況も考えられます。
また、医院によっては「裏側矯正はできる」としていても、実際には症例数が少なかったり、限定的な装置しか扱っていない場合もあります。選択肢が少ないからといって妥協せず、実績のある医院を選ぶことが、後悔のない矯正治療につながります。
4.舌や口内のトラブルが起きやすい
裏側矯正の装置は常に舌に接触する位置にあるため、装着初期には舌先に傷ができたり、口内炎になったりするケースがあります。とくに舌癖のある方や、話す機会の多い職業の方は、その刺激によって違和感を長く感じやすい傾向にあります。
多くの場合は時間の経過とともに慣れていきますが、装置の形状や角の処理、滑らかさによっても快適性は異なります。医院によっては、装置のデザインに配慮し、できる限りトラブルを軽減する工夫を行っているところもあります。
5.装置の調整・トラブル対応に時間がかかる
裏側矯正は装置が見えにくい分、調整やトラブル対応に時間を要します。診療時にはミラーや特殊な器具を使用しながらの作業となるため、1回の処置にかかる時間も長くなる傾向があります。
また、トラブルが発生した際にも、装置の位置の関係で処置が難航しやすく、患者側としては「毎回の通院に時間がかかる」「治療が思うように進まない」といった不満を感じやすいポイントでもあります。
6.歯磨きや清掃が難しい
装置が歯の裏側にあることで、日々の歯磨きが難しくなるという点も、裏側矯正の注意点です。歯ブラシが届きにくいため、汚れが残りやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなる可能性があります。
そのため、裏側矯正では通常以上に丁寧なブラッシングと、歯科医院での定期的なクリーニングが欠かせません。矯正専門医院の中には、矯正治療と並行してメンテナンス指導を行っているところもありますので、清掃面に不安がある方はその点も医院選びの参考にすると良いでしょう。
後悔しない裏側矯正を受けるためのチェックポイント
裏側矯正は「目立たない」という大きなメリットがある一方で、設計の精度や治療経験によって仕上がりや快適性に大きな差が出やすい治療法です。
ここでは、裏側矯正で後悔しないために、医院選びの際に必ず確認しておきたい3つのポイントをご紹介します。
担当医の専門性・経験を事前に確認しておく
裏側矯正は高度な技術と設計力を必要とするため、担当医がどの程度の専門性と経験を持っているかが、治療結果を大きく左右します。
当院では、日本矯正歯科学会認定医である院長が全症例を担当しており、特に裏側矯正に関しては多数の症例実績と、3D設計を用いた高度な治療計画に定評があります。
カウンセリング時には、担当医が認定医であるか、どれほど裏側矯正に精通しているかを遠慮なく確認することをおすすめします。
Eラインやスマイルラインを加味した設計ができるか
裏側矯正を選ぶ方の多くは、「治療中に装置を目立たせたくない」だけでなく、「最終的に美しい口元になりたい」という希望を持っています。
このとき重要になるのが、Eライン（横顔の美しさ）やスマイルライン（笑ったときの歯の見え方）など、歯並びだけでなく顔全体の印象に関わる設計です。
見た目のバランスを整えるには、顔貌との調和を意識した歯の配置が必要であり、治療前の設計力が大きく問われます。当院では、3Dシミュレーションを活用し、患者様ごとに理想の口元に近づけるための精密な設計を行っています。
裏側矯正以外にも選択肢が豊富か
医院によっては「裏側矯正しか提案されない」「マウスピース矯正が推されすぎる」といった偏った装置提案が行われていることもあります。
しかし、患者様一人ひとりのライフスタイルや骨格、希望する仕上がりは異なるため、最適な治療法もまた異なります。
当院では、裏側矯正を含む3種類の矯正法（マウスピース・表側・裏側）をすべて取り扱っており、ハーフリンガルなど複合的な治療にも対応可能です。装置の選択肢が多いことは、より自分に合った矯正方法を見つけるための重要な条件といえるでしょう。
鶴見ニコ矯正歯科の裏側矯正が選ばれる理由
裏側矯正は、見た目への配慮だけでなく、技術力や設計精度、装置の選択肢まで含めてトータルに考えるべき治療法です。当院・鶴見ニコ矯正歯科では、患者様の「見た目」と「噛み合わせ」の両方を大切にしながら、裏側矯正に関する不安を取り除く体制を整えています。
ここでは、当院が裏側矯正において選ばれている3つの理由をご紹介します。
認定医 × 裏側矯正の豊富な実績
当院の院長は、日本矯正歯科学会認定医であり、裏側矯正をはじめとした成人矯正において豊富な経験を有しています。初診のカウンセリングから治療完了まで一貫して担当するため、治療の一貫性と高い精度を保つことができます。
また、複雑な症例にも対応可能な3Dシミュレーションやカスタム装置を活用し、目立たないだけでなく、計画的かつ安全な裏側矯正を提供しています。
見た目と噛み合わせ、両方を追求する設計
「綺麗に並んだけれど、噛みにくくなった」あるいは「見た目は満足だけど、顎に違和感がある」――矯正治療において、こうした声が出ることがあります。
当院ではこのような結果を避けるため、見た目の審美性と噛み合わせの機能性の両方をバランスよく整えることを重視しています。
とくに裏側矯正は設計精度が重要であるため、術前の診断と計画には十分な時間をかけ、顔貌と歯列のバランスを多角的に検証しています。
土日診療・駅ほぼ直結の通いやすさ
矯正治療は長期間にわたり、定期的な通院が必要です。そのため、アクセスの良さや診療時間の柔軟さも医院選びでは大きなポイントになります。
当院は鶴見駅から徒歩1分の好立地にあり、土曜日・日曜日も診療を行っております。平日は忙しいという方でも、無理なく通院スケジュールを立てていただけます。加えて、予約の取りやすさやLINEでの連絡体制など、ストレスなく通っていただける工夫を随所に取り入れています。
まとめ：裏側矯正で後悔しないために
裏側矯正は、装置が目立たないという大きなメリットがある一方で、治療の難易度が高く、経験や技術が仕上がりに直結する治療法です。
そのため、治療を始めたあとで「こんなはずじゃなかった」と後悔する方も一定数いらっしゃいます。
しかしながら、裏側矯正という治療法そのものが悪いのではなく、事前の情報収集や医院選び、治療計画の立て方に問題があるケースがほとんどです。
装置の違和感、発音や通院の負担、費用面など、想定される懸念点をあらかじめ理解し、納得したうえで治療を受けることが、後悔のない矯正治療への第一歩となります。
鶴見ニコ矯正歯科では、裏側矯正に精通した日本矯正歯科学会認定医が、患者様一人ひとりの顔貌やライフスタイルに合わせて、丁寧に治療計画を立てております。
「目立たないだけでなく、きれいに、しっかり噛める」裏側矯正を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。初診カウンセリングでは、不安な点や治療の進め方についても詳しくご説明いたします。
