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歯列矯正で抜歯すると顔変わる?変化する人としない人の違いを認定医が解説

矯正コラム

2025.12.09

2025.12.09

「矯正で歯を抜くと、顔が変わってしまうって本当?」 「口元をスッキリさせたいけれど、顔の印象が変わりすぎてしまわないか心配…」

鏡の前でご自身の横顔を見ながら、このような不安を抱えていませんか?一度抜いたら元には戻せないからこそ、『本当に抜歯していいの?』と慎重になるのは当然のことです。インターネット上には「劇的に可愛くなった」という声がある一方で、「顔が変わりすぎて後悔した」というネガティブな体験談もあり、情報の海で迷子になってしまっている方が多くいらっしゃいます。

実は、歯列矯正で顔が変わるのには、明確な「医学的な理由」と「個人差(骨格や筋肉)」があります。

「顔が変わる」というのは、決してネガティブな意味だけではありません。 正しい診断に基づけば、横顔の美しさの指標である「Eライン」が整い、洗練された印象を手に入れるための有効な手段となります。

逆に、本来抜くべきでないケースで抜歯をしたり、抜くべきケースで無理に非抜歯を選択したりすることこそが、「思っていた顔と違う」という後悔の原因となるのです。

そのため、大阪市鶴見区の「鶴見ニコ矯正歯科」では、日本矯正歯科学会の認定医である院長が、単に歯を並べることだけをゴールとせず、「治療後の顔立ち」までを見据えた綿密な治療設計を行っています。

本記事では、歯列矯正と顔立ちの関係を「医学的な仕組み」と「実際に変わりやすい要素」の両面から詳しく解説します。

歯列矯正で抜歯すると顔は変わる?最初に知るべき結論

最初に結論からお伝えします。「歯列矯正で抜歯をすると顔が変わるか?」という問いへの答えは、「イエス」でもあり「ノー」でもあります。

少しずるい答えに聞こえるかもしれませんが、「抜くこと」自体が顔を変えるわけではないからです。 抜歯はあくまでスペースを作るための準備にすぎません。実際に顔の印象が変わるかどうかは、そのスペースを利用して「前歯がどの位置に移動するか」にかかっています。

重要なのは「前歯の位置」と「口元のボリューム」

顔の印象が大きく変わるかどうかのカギを握るのは、「前歯がどれだけ前に出ているか」と「口元の厚みをどこまで減らす必要があるか」の2点です。

口元の形は、よく「テント」に例えられます。中の支柱(前歯)を奥へ移動させれば、それを覆っている布(唇)の張り出しも自然と少なくなります。これが、矯正治療で顔が変わる基本的な仕組みです。

テントイメージ画像

つまり、抜歯はあくまで前歯を下げるスペースを作るための「手段」に過ぎません。そのスペースを使って前歯を大きく下げれば顔の印象はガラリと変わりますし、逆にガタガタ(叢生)を整えるためにスペースを使い切れば、抜歯をしても顔立ちはそれほど変わらないこともあるのです。

抜歯で良い変化が出やすいタイプ

出っ歯・口ゴボ・上下顎の突出など。特に、口元が前に出たタイプでは変化を感じやすく、横顔のEラインや口の閉じやすさの改善につながります。一方で骨格が原因の突出や顎の大きさによっては、矯正だけでは変化が小さいこともあります。

では、どのような人が抜歯によって「良い変化」を感じやすいのでしょうか。一般的に、以下の特徴を持つ方は、抜歯矯正のメリットを最大限に引き出せる可能性が高いです。

上下顎前突イメージ

口ゴボ(上下顎前突)の方: 口元全体が前方に突き出ているタイプ。

上顎前突イメージ

出っ歯(上顎前突)の方: 上の前歯の傾きが強いタイプ。

口が閉じにくい(口唇閉鎖不全)の方: 常に口が開いてしまい、閉じると顎に梅干し状のシワができるタイプ。

これらのタイプの方は、抜歯をして前歯を後方に下げることで、横顔のEライン(鼻先と顎先を結んだ線)が整い、口元が上品に引き締まる劇的な変化を期待できます。

抜歯が悪い変化につながりやすいタイプ

一方で、慎重な判断が求められるのが以下のタイプです。

  • 元々の歯並びがある程度整っている方
  • 口元の突出感が少ない、または既に引っ込んでいる方
  • 顎が薄い、または後退している骨格の方

このような方が、安易にスペースを作るために抜歯をして前歯を下げすぎると、口元が貧相になったり、逆に鼻や顎が目立ちすぎてしまったりするリスクがあります。中には「小顔効果」を期待して、抜歯を強く希望される方もいらっしゃいます。ですが、骨格的に必要な張りまで失うと、かえって老け込んで見えてしまうこともあるため、必ずシミュレーションで確認することが大切です。

抜歯矯正で起こりやすい顔の変化

多くの患者様が懸念される「頬こけ」「鼻の下(人中)」「唇」などの部位別に、起こりうる変化を詳しく解説します。

口元(リップライン)の変化

口元を気にする女性

一番大きく印象が変わるのは、やはり口元です。前歯を後方へ引くと、内側から唇を押す力が弱まり、唇が自然に閉じやすくなります。これにより、無理に口を閉じていた時の緊張感が取れ、口元の厚みが軽減されてスッキリとした印象になります。

上唇・下唇の角度

歯の傾きが変わると、唇の角度(突出感)も変わります。例えば、出っ歯の方は上唇がめくれ上がっていることが多いですが、矯正によって歯が直立すると、上唇も下がり、すっきりした口元になります。横顔を見たときも、唇がツンと尖っている状態から、スッと平坦に近いラインに落ち着くことで、スッキリとした綺麗なシルエットになります。

人中(鼻下)が長く見える/短く見える

「矯正すると人中(鼻の下)が伸びるのでは?」と心配される方が非常に多いです。医学的に言うと、実際に皮膚が伸びるわけではありません。しかし、前歯の移動量と唇の支え構造の変化により、見え方が変わることがあります。

  • Cカーブの消失::出っ歯の時は、唇が前歯に押し上げられて「C」の字のようなカーブを描いていますが、前歯が下がるとそのカーブが緩やかになり、直線的な距離が長く見える錯覚が起こります。
  • 上唇の巻き込み:前歯が下がることで上唇が内側に入り込み、唇の赤い部分が薄くなることで、相対的に鼻の下が長く見えることがあります。

逆に、笑った時に歯茎が目立つ状態(ガミースマイル)が改善されることで、口元のバランスが整い、鼻の下の長さが気にならなくなるケースもあります。

横顔(Eライン・骨格の見え方)

理想的な口元と口ゴボの口元の比較イメージ
※Eライン…横顔を見たときに鼻の先端と顎の先端を結んだ直線

「Eライン(エステティックライン)」は、横顔の美しさの指標です。抜歯により前歯を後退させた場合、唇の先端がEラインの内側、あるいはライン上に収まるようになります。これにより、鼻が高くなったように見えたり、顎のライン(フェイスライン)がシャープに見えたりする効果が期待できます。

フェイスライン・頬のボリューム

ここが最も不安の多いポイント、「頬こけ」についてです。口元の後退に伴い、「抜歯をしたら頬がこけて老けた」という声を聞くことがありますが、これには主に2つの原因が考えられます。

  1. 一時的な筋肉の衰え(廃用性萎縮): 矯正中は硬いものを噛みにくくなったり、痛みを避けて噛む回数が減ったりするため、咬筋(噛む筋肉)が一時的に痩せてしまうことがあります。
  2. 骨格と皮膚の余り: 口元が大きく引っ込んだにもかかわらず、皮膚が収縮しきれずに余ってしまい、たるみとして現れるケースです。

頬の見え方は骨格や脂肪量によって個人差が大きい領域です。当院では、年齢や肌質も考慮に入れた上で、無理のない移動量を提案しています。

抜歯/非抜歯の判断はどう決まる?

「健康な歯を抜きたくない」というのは、誰もが抱く自然な感情です。しかし、矯正治療における抜歯・非抜歯の判断は、単なる「抜くか抜かないか」の二択ではありません。「どのような顔立ちを目指すか」というゴールから逆算して決定されるべきものです。

顔立ちへの影響を考えた抜歯基準

私たち矯正医は、以下の要素を総合的に分析して抜歯の必要性を慎重に判断します。

  • 突出感の強さ: 横顔をどれくらい下げたいか。
  • 顎の骨の大きさ: すべての歯が顎の骨の中に安全に収まるか。
  • 歯槽骨(歯を支える骨)の厚み: 無理に広げて骨からはみ出さないか。

例えば、「大阪から東京へ行く旅行」に例えてみましょう。5人乗りの車に、6人が乗ろうとしている状態を想像してください。

明らかに定員オーバーです。このまま無理やり出発すれば、車内は窮屈で、乗っている人たちは疲弊してしまいます。これが歯列でいうと、歯や歯茎に過度な負担がかかっている状態です。

全員を安全に、快適にゴール(東京)へ連れて行くには、以下のいずれかの対応が必要です。

スペースを拡大、抜歯、歯を削る、トラブルのイメージ
  1. 6人乗りの大きな車に変える(非抜歯・拡大): 顎のアーチ自体を広げる。
  2. 1人に降りてもらう(抜歯): スペースを作り、ゆったりと座れるようにする。
  3. 全員が少しずつスリムになる(IPR): 歯の側面をわずかに削り、隙間を作る。
  4. 定員オーバーで乗車する(トラブル):定員オーバーだと疲れてしまう。

ご自身の車のサイズ(顎の骨格)に対して、乗客(歯)が多すぎる場合、どの方法が最も安全かを見極める慎重な判断が必要なのです。

非抜歯で起こりやすい仕上がりの限界

「絶対に抜きたくない」と、骨格の限界(車の定員)を超えて無理に非抜歯を選択した場合、行き場をなくした歯は前方に向かって並ぶしかありません。その結果、歯並びのガタガタは解消されても、口元全体がもっこりと前に出てしまったり、かえって口が閉じにくくなったりすることがあります。これでは、「横顔を綺麗にしたい」という本来の目的が達成できず、顔立ちの変化が得られないどころか、逆に口元の突出感が目立ってしまうリスクがあるのです。

非抜歯矯正で口元を引っ込めようとアーチを広げすぎるリスク

歯列の拡大には限界があります。顎の骨の大きさには個人差があり、その限界を超えて歯を並べようとすると、噛み合わせや歯根の位置が不安定になる可能性があります。また、歯茎が下がって歯根が露出する(歯肉退縮)リスクも高まります。

抜歯/非抜歯に正解はなく「何を改善したいか」が重要

最終的にどの方法がベストかは、患者様お一人おひとりの「理想のゴール」によって変わってきます。 「横顔を整えたい」のか、「噛み合わせを改善したい」のか。見た目と機能のバランスをどう取るかで最適解は変わります。

「多少口元が出ていても、健康な歯を残すことを最優先したい」「歯を抜いてでも、Eラインを整えて横顔を美しくしたい」

どちらの選択も間違いではありません。重要なのは、それぞれのメリット・デメリットを理解し、納得して選ぶことです。

当院の「顔立ちまで考える」矯正治療設計

大阪市鶴見区の「鶴見ニコ矯正歯科」は、ただ歯を並べるだけのクリニックではありません。日本矯正歯科学会認定医・歯学博士である経験豊富な院長が、医学的根拠に基づいた安全で確実な治療計画を立案します。患者様一人ひとりの未来の顔立ちまで計算に入れた治療設計を行っています。

精密検査で行う分析(骨格・筋肉・前歯の位置)

当院の院長は、大学病院や複数のクリニックで難症例を含む数多くの治療経験を持つ「日本矯正歯科学会 認定医」です。顔立ちと歯列の関係を画像・セファロ分析(頭部X線規格写真)・3Dシミュレーションで確認し、変化の見込みを共有します。

「あなたの場合は顎が小さいので、抜歯をしないと口元が出やすくなります」「鼻が高いので、少し下げるだけでEラインが綺麗に出ます」といった、骨格に基づいた具体的な分析を行います。

仕上がりイメージの共有方法

iTero(アイテロ)スキャン実施写真

「口頭で説明されてもイメージが湧かない」という不安を解消するため、当院では単なる“歯並びの完成図”ではなく、横顔の印象変化まで視覚的に説明し、不安を減らします。 iTeroなどの3Dスキャナーや、類似症例のビフォーアフター写真を用いて、「この歯をここまで下げると、口元はこのくらい引っ込む予測です」と具体的にお見せします。

裏側矯正・マウスピース矯正でも顔立ちに配慮

鶴見ニコ矯正歯科の模型装置

当院は、裏側矯正(舌側矯正)やマウスピース矯正(インビザライン)、そして歯科矯正用アンカースクリューなど、豊富な治療方法を取り揃えています。 どの装置を選んでも、歯の移動計画そのものが顔立ちに影響するため、装置別のメリットを踏まえて提案します。

特に、歯の移動量が多い抜歯ケースでは、アンカースクリューを併用することで、前歯を最大限に後退させることが可能になり、横顔の変化をより確実にコントロールできます。

抜歯矯正で後悔しないために知っておきたいこと

せっかくの矯正治療で「思った顔と違った」と後悔しないために、以下の3つのポイントを必ず心に留めておいてください。

  1. 「非抜歯=安全」「抜歯=危険」という思い込みを捨てる
    「健康な歯を抜くのは怖い」と感じるのは当然ですが、スペースが足りないのに無理に非抜歯で進めると、かえって口元が盛り上がってしまう(口ゴボが悪化する)リスクがあります。大切なのは「抜くか抜かないか」ではなく、「あなたの骨格にとって、どちらが美しく健康になれる選択か」を見極めることです。
  2. 変化の「程度」を具体的に確認する
    「口元が下がる」という言葉一つとっても、そのイメージは人それぞれです。1mm下がるのと5mm下がるのでは、お顔の印象は全く別物になります。言葉のニュアンスだけで進めず、シミュレーション画像などで「視覚的な変化のすり合わせ」を行い、ドクターと完成イメージを共有しましょう。
  3. 「老け見え」のリスクと対策を知る
    特に大人の矯正では、治療中の食事の変化による一時的な頬のボリュームダウンや、皮膚のたるみリスクについても理解しておく必要があります。「なぜそうなるのか」「回復するのか」を事前に聞いておくことで、治療中の不安を大きく減らすことができます。

これら3つのポイントを理解した上で、ドクターと「仕上がりのイメージ」を徹底的にすり合わせること。それが、後悔のない矯正治療への一番の近道です。

一人で悩まず、その不安や疑問をカウンセリングで私たちにご相談ください。あなたの理想とするゴールに向けて、医学的な視点からベストな道筋を一緒に描いていきましょう。

よくある質問(Q&A)

ここでは、カウンセリングでよく寄せられる、顔の変化に関する不安にお答えします。

カウンセリング写真

抜歯すると必ず顔が変わりますか?

A. 必ずしも大きく変わるわけではありません。変化の大きさは症例ごとに異なります。歯の移動量・骨格・筋肉が大きく影響します。前歯を大きく下げる必要があるケースでは変化が顕著ですが、ガタガタを解消するためにスペースを使い切るようなケースでは、顔立ちの変化は限定的です。

治療途中で顔が「変わりすぎた」ように感じるのは正常?

A. 治療途中は一時的に変化を感じやすい時期があります。治療途中は歯・筋肉・唇の位置が安定しないため、途中経過で違和感が出ることがあります。特に抜歯直後や移動の最中は、食事がしづらくなり噛む筋肉が一時的に落ちることで、頬がこけて見えることがあります。多くの場合、歯並びが整いしっかり噛めるようになると回復します。思いもよらない変化を起こさないために、事前のシミュレーションが重要です。

理想的な顔立ちの希望はどこまで伝えていいですか?

A. ぜひ、遠慮なくすべてお伝えください! 一般的な歯科医院では顔立ちまで考慮して矯正治療をしているケースは少なく、どこまで聞いてもらえるかはわからないかもしれません。しかし当院であれば、細かな希望も伝えていただいて問題ありません。前歯の位置の微調整で口元の印象は大きく変わるため、治療開始前の共有が非常に重要です。

まとめ:抜歯矯正で「顔変わる」の真実と、後悔しない選び方

鶴見ニコのカウンセリング写真

抜歯矯正で顔が変わるかどうかは、抜歯そのものではなく「前歯の位置」「口元のボリューム」「骨格」など複合的な要素によって決まります。

適切に計画された治療では、Eラインが整い、横顔が美しくなるポジティブな変化が期待できます。一方で、希望する変化の方向とのズレがあると違和感につながるため、治療開始前の分析と相談が不可欠です。

「私の顔はどう変わるの?」「抜歯は本当に必要?」 理想の顔立ちに近づけたい方は、専門的な診断と丁寧なカウンセリングを行う鶴見ニコ矯正歯科にご相談ください。

当院では、患者様一人ひとりの「なりたい自分」を尊重し、医学的な根拠に基づいたベストな治療プランをご提案いたします。まずは無料相談で、あなたの不安や希望をお聞かせください。

監修歯科医師

小田垣 直弥

院長

裏側矯正や口ゴボの改善を得意とする矯正歯科医として、一人ひとりの骨格や顔立ちに合わせた治療を心がけています。特に、見た目にこだわる大人の方には「見た目に矯正中だとわかりにくく、仕上がりにも妥協しない治療」を大切に、日本矯正歯科学会認定医として丁寧な診断とご提案を行っています。

裏側矯正や口ゴボの改善を得意とする矯正歯科医として、一人ひとりの骨格や顔立ちに合わせた治療を心がけています。特に、見た目にこだわる大人の方には「見た目に矯正中だとわかりにくく、仕上がりにも妥協しない治療」を大切に、日本矯正歯科学会認定医として丁寧な診断とご提案を行っています。

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