受け口は手術しないと治らない?他院で「手術が必要」と言われた症例を矯正だけで改善した治療法を認定医が解説
矯正コラム
2026.07.31
2026.08.20
「受け口を治すには、手術しかないのでしょうか」。そんな不安を抱えて、この記事にたどり着いた方も多いかもしれません。他院で「手術が必要」と説明され、大きな決断を前に足踏みしている。その気持ちは自然なことです。
受け口の治療には、たしかにあごの骨を動かす外科手術という選択肢があります。一方で、手術と言われた方でも、矯正だけで噛み合わせを整えられる場合があります。この記事では、他院で手術が必要と言われた受け口の患者様を、手術も抜歯も行わずに改善した当院の症例を、はじめにご紹介します。
そのうえで、受け口の手術とはどのような治療か、手術が必要なケースと矯正で対応できるケースがどこで分かれるのかを、日本矯正歯科学会認定医の視点で、順を追ってお伝えします。
目次
他院で「手術が必要」と言われた受け口を、手術なしで改善した症例


はじめに、当院で実際に行った受け口の治療をご紹介します。この患者様は、下の歯が上の歯より前に出た反対咬合の状態で来院されました。反対咬合とは、いわゆる受け口の正式な呼び方です。
他院では「手術が必要」と説明を受けていましたが、当院ではあごの骨を切る手術を行わず、親知らず以外の歯も抜かずに、噛み合わせを改善できました。なぜ手術を避けられたのか、その理由は装置の工夫にあります。まずは来院時の状態と治療の結果を見ていただき、詳しい治療法は記事の後半で解説します。
来院時の状態と、患者様が抱えていた不安
この患者様は、「手術という大きな決断には踏み切れない。けれど、矯正だけで治るならなんとかしたい。」そうした思いで、最後の望みをかけて相談に来てくださった方です。
「自分も手術しかないと言われたけれど、本当に他に方法はないのだろうか」。同じように迷っている方にとって、この患者様の気持ちは、決して他人事ではないはずです。受け口のお悩みは、見た目だけでなく、手術への恐怖や、これからの生活への不安が重なっていることが少なくありません。だからこそ、当院では、初診相談で手術と歯列矯正の対応範囲をていねいにお伝えすることを心がけています。
治療のビフォーアフターで変わったこと
実際の治療前後の様子を見ていただきます。手術を伴わないため、顔立ちが大きく変わるわけではありませんが、上下の歯の噛み合わせは、無理のない自然な状態へと整いました。

受け口の治療というと「顔が別人のように変わる」というイメージを持たれることがあります。けれど、目指したのは、見た目の劇的な変化よりも、しっかり噛める機能の回復でした。横顔の印象も、噛み合わせが整うことで、やわらかく変化しています。
抜歯も手術もせず、約1年半で得られた結果
通常であれば3年ほどかかることが見込まれた症例でしたが、この患者様は約1年半で治療を終えることができました。
「なぜ、手術も抜歯もせずに、これだけの改善と期間の短縮ができたのか。自分の受け口も、同じように手術を避けられるのだろうか。」そう感じた方もいるかもしれません。その答えは、歯をどれだけ後ろに動かせるかという見立てと、そこで使った装置の組み合わせにあります。記事の後半で、実際に使った装置と治療の流れを、順を追って解説します。
受け口(反対咬合・下顎前突)とは?なぜ「手術」が選択肢になるのか

ここからは、受け口という状態について、あらためて確認していきます。受け口とは、下の歯や下のあごが、上より前に出ている噛み合わせのことです。見た目の悩みだけでなく、食べ物を噛む、言葉を発するといった毎日の動作にも影響することがあります。
そして「受け口の治療では、なぜ手術という選択肢が示されるのか。」という疑問は、多くの方が最初に抱くものです。このあとは、受け口の呼び方の違い、原因となるタイプ、そして手術が選択肢になる理由を、順にお伝えします。
受け口・反対咬合・下顎前突・しゃくれの呼び方の違い
「受け口」「しゃくれ」という言葉は、日常でよく使われる呼び方です。歯科では、こうした状態を「反対咬合」や「下顎前突」といった専門用語で表します。反対咬合とは、上下の歯の噛み合わせが本来と逆になっている状態を指します。一方、下顎前突とは、下あごの骨そのものが前に出ている状態を指します。
この記事では、一般的な俗称である「受け口」を中心に使いながら、必要に応じて専門的な呼び方を添えて解説していきます。
歯並びが原因のタイプと、骨格が原因のタイプ
受け口には、大きく分けて二つのタイプがあります。ひとつは、歯の傾きや位置が主な原因となる歯性タイプです。前歯の向きによって、噛み合わせが逆になっているものです。もうひとつは、あごの骨の大きさやバランスが主な原因となる骨格性タイプです。下のあごが大きい、あるいは前方に突出していることで、受け口になっています。
実際には、この二つが組み合わさっていることも少なくありません。どちらの要素が強いかによって、治療の進め方は変わります。歯の要素が中心であれば矯正で対応しやすく、骨格の要素が大きいほど、手術が選択肢となりやすくなります。自分がどちらのタイプに近いのかは、次の項目とあわせて考えてみてください。
手術という選択肢が出てくるのはどんなとき?
受け口の治療で手術がすすめられるのは、多くの場合、あごの骨のズレが大きいケースです。歯列矯正で歯を動かせる範囲には、限りがあります。骨格のズレがその範囲を超えていると判断されると、あごの骨そのものを動かす外科手術が選択肢になります。
「手術が必要」と言われると、それ以外に道はないように感じてしまうかもしれません。しかし、歯をどれだけ動かせるかという見立ては、診断する歯科医院によって幅が出ることがあります。動かせる量の考え方によっては、手術を避けられる場合もあるのです。実際に、冒頭でご紹介した患者様も、他院では手術が必要と言われながら、歯列矯正だけで改善することができました。その分かれ目については、このあと詳しくお伝えします。
受け口の手術の種類・費用・体への負担と保険適用

受け口の手術を考えるうえで、どのような治療なのかを知っておくことは大切です。ここでは、代表的な手術の種類、保険が適用される条件、そして入院やダウンタイムといった体への負担について、順にお伝えします。
手術は、骨格のズレが大きい受け口に対して有効な治療です。決して否定されるものではありません。一方で、負担や費用を正しく知ったうえで、自分に合った方法を選ぶことが、後悔のない治療につながります。まずは、受け口で行われる代表的な手術から見ていきましょう。
代表的な手術(SSRO・IVRO・ルフォーⅠ型骨切り術など)
受け口の手術には、いくつかの方法があります。よく行われるのが、下顎枝矢状分割術(SSRO)です。下のあごの骨を分割し、位置を後ろへ下げて(後退させて)噛み合わせを整える方法です。下顎枝垂直骨切り術(IVRO)も、下のあごを後方へ移動させる術式のひとつです。
上のあごに原因がある場合には、上顎骨切り術(ルフォーⅠ型骨切り術)が選ばれることもあります。上のあごの骨を動かして、噛み合わせのバランスを整えます。これらの手術は、あごの骨の状態や受け口のタイプによって選ばれます。
外科矯正やセットバックのより詳しい内容については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
>>整形で口ゴボを治す方法|セットバック・外科矯正・歯列矯正の違いをわかりやすく解説
保険が適用される条件(顎変形症の診断)
受け口の手術には、保険が適用される場合があります。顎変形症と診断され、定められた条件を満たす医療機関で外科矯正を行う場合などが対象です。顎変形症とは、あごの骨の形や位置の異常によって、噛み合わせや顔のバランスに問題が生じている状態を指します。
ただし、すべての受け口が保険の対象になるわけではありません。見た目を整えることが主な目的の場合は、保険が使えないこともあります。当院は顎変形症の外科矯正にも対応しており、保険が適用される条件についてもご案内できます。費用は治療方針によって変わるため、診断のうえでお伝えしています。
入院・ダウンタイム・後遺症など知っておきたい負担
手術には、体への負担が伴います。あらかじめ知っておくことで、落ち着いて判断できます。多くの場合、手術には入院が必要です。術後には腫れや痛みがあり、それが落ち着くまでのダウンタイムもあります。また、あごの周囲の神経に近い部分を扱うため、唇やあごに一時的なしびれや感覚の変化が出ることがあります。
こうした負担があるからこそ、「できることなら手術は避けたい」と感じる方は少なくありません。その気持ちは自然なものです。大切なのは、手術の負担を正しく知ったうえで、手術と矯正のどちらが自分に合っているかを見極めることです。次では、その分かれ目についてお伝えします。
受け口は手術しないと治らない?手術が必要なケースと矯正で治せるケース

「受け口は手術しないと治らないのでは」。そう考えている方に、ぜひ知っていただきたいことがあります。受け口の治療で手術が必要かどうかは、歯をどれだけ後ろに動かせるかという見立てで大きく変わります。
同じ受け口でも、手術が向いているケースもあれば、矯正だけで対応できるケースもあります。ここでは、手術が必要と判断されやすいケース、矯正で対応できるケース、そして両者を分ける「動かせる量」の考え方を、順にお伝えします。冒頭の患者様が、なぜ手術を避けられたのか。その理由も、ここで見えてきます。
手術が必要と判断されやすいケース
手術がすすめられやすいのは、あごの骨のズレが大きいケースです。歯を動かすだけでは、上下の噛み合わせや横顔のバランスを整えきれないと見込まれる場合、顎の骨そのものを動かす手術が選択肢になります。
たとえば、下のあごが大きく前に出ている、あるいはあごが左右にずれているようなケースです。骨格の要素が強いほど、手術が向いていると判断されやすくなります。他院で「手術が必要」と説明されたとき、その多くは、こうした骨格のズレを踏まえた診断です。ただし、その判断は、歯をどれだけ動かせると考えるかによっても変わります。同じ受け口でも、見立てによって方針が分かれることがあるのです。
矯正だけで対応できるケース
一方で、矯正だけで受け口を改善できるケースもあります。骨格のズレがそれほど大きくない場合や、歯を動かせる範囲のなかで噛み合わせを整えられる場合です。歯の傾きや位置が主な原因となっている受け口では、歯を適切な位置へ動かすことで、噛み合わせが整っていきます。
冒頭でご紹介した患者様も、この範囲に収まったケースでした。他院では手術が必要と言われていましたが、歯を動かせる量を見直すことで、矯正だけで改善できたのです。「自分の受け口は、どちらに近いのだろう」。そう感じた方は、次の項目で、その分かれ目を決める考え方を見てみてください。
判断を分ける「歯を動かせる量」の考え方
手術か矯正かを分けるのは、歯をどれだけ後ろに動かせるかという量です。歯を後ろへ動かすことを、歯科では遠心移動と呼びます。論文では、上の歯の遠心移動は最大で3mm程度、下の歯は最大で2mm程度が目安とされています。
冒頭の患者様は、5mmほどの遠心移動が必要なケースでした。一般的な目安を超える量です。この量を通常のマウスピース矯正だけで動かすのは難しく、時間もかかります。他院で手術が必要と言われたのも、この移動量の大きさが理由だったと考えられます。
「基準を超えているなら、やはり手術しかないのでは」。そう思われるかもしれません。けれど、装置の工夫によって、基準を超える移動を実現できる場合があります。その方法を、次で詳しくお伝えします。
矯正か手術かの見極めについては、口ゴボのケースを例にした記事でも解説しています。あわせてご覧ください。
>>口ゴボがひどいのはなぜ?特徴・原因・治し方(矯正・手術)をわかりやすく整理
手術と言われた受け口を矯正で治す方法|カリエール併用マウスピース矯正

ここからは、冒頭の患者様に実際に行った治療を、順を追ってご紹介します。手術が必要とされる量の遠心移動を実現できたのは、「カリエール」という装置と、マウスピース矯正を組み合わせたためです。
カリエールは、複数の歯をまとめて後ろへ動かせる補助装置です。これをマウスピースと組み合わせることで、大きな移動と期間の短縮を両立できました。ここでは、カリエールという装置の特徴、マウスピースと組み合わせた理由、そして手術を避けられた理由を、治療の流れとともにお伝えします。
歯列全体を後ろに動かす「カリエール」という装置
カリエールは、犬歯から奥歯にかけての複数の歯を、まとめて後ろへ動かせる装置です。一本ずつ歯を動かすのではなく、歯列をひとかたまりとして後方へ移動させられる点に特徴があります。
この装置は、矯正を専門的に行う歯科医師のなかでも、扱う医院が限られています。当院でも、治療を受ける方全体の5%ほどの限られたケースにのみ使用しています。活用できるケースが限定的なため、そもそも全く使用しないという歯科医院が少ないです。それでも、この患者様のように大きな遠心移動が必要なケースでは、カリエールが力を発揮するので、当院ではこういった珍しい装置も活用しています。装置の希少さそのものよりも、その方の受け口を手術なしで治すために必要かどうかを大切に考えています。
歯を後ろへ動かす補助装置としては、歯科矯正用アンカースクリューもよく知られています。仕組みや役割については、こちらの記事で解説しています。
>>矯正用アンカースクリューは痛い?怖い?「骨にネジ」と聞いて不安な方へ、仕組みと役割を徹底解説
カリエールとマウスピースを組み合わせた理由
なぜ、マウスピースだけでなくカリエールを組み合わせたのでしょうか。マウスピース矯正でも、歯を後ろへ動かすことはできます。ただし、歯を一本ずつ順番に動かしていくため、時間がかかります。
犬歯から三番目の歯まで動かしきるには、マウスピースだけでおよそ50枚、期間にしてほぼ一年かかる計算でした。これに対して、カリエールは歯列全体をまとめて動かせます。そのぶん、大きな移動を短い期間で進められます。つまり、治療期間を短くし、効率よく進めるために、二つの装置を組み合わせたのです。実際の治療は、前半と後半で装置の役割が変わりました。その流れを、次で具体的にお伝えします。
犬歯を目標の位置へ動かす期間
治療の前半では、カリエールを使って下の歯列全体を後ろへ動かしました。下の歯にはカリエールを取り付け、上の歯にはマウスピースを装着します。そして、上下の決まった位置にゴムをかけて、歯列をまとめて後方へ動かしていきました。


この工程を、3月から9月ごろまでの約半年かけて行いました。目標は、犬歯を歯と歯のあいだの適切な位置まで動かすことです。半年ほどで、この目標の位置まで犬歯を動かすことができました。
犬歯を動かしてできたスペースで前歯を整える期間
犬歯が後ろへ動いたことで、前歯を整えるためのスペースが生まれます。治療の後半では、このスペースを使って、下の前歯を内側へ入れていきました。
9月ごろには、役割を終えたカリエールを外します。そこからは、上下ともにマウスピースへ切り替えて、噛み合わせを仕上げていきました。前半はカリエールで大きく動かし、後半はマウスピースで細かく整える。装置の役割を切り替えることで、大きな移動ときれいな仕上がりの両方を目指しました。
なぜ手術を回避できたのか
最後に、なぜ手術を避けられたのかを、あらためてお伝えします。理由は、歯を根元から後ろへ動かせたことにあります。マウスピース矯正だけの場合、歯は傾きながら動くことが多くなります。傾けて動かす方法では、大きな遠心移動には限界があります。
一方、カリエールを組み合わせると、歯を根元から後方へ動かせるとされています。これにより、一般的な目安を超える5mmほどの遠心移動を実現できました。手術が必要と言われるほどの受け口を、矯正だけで改善できたのは、この動かし方の違いによるものです。
どの装置が向いているかは、受け口のタイプや動かす量によって変わります。装置ごとの違いは、こちらの記事もあわせてご覧ください。
>>【2026年最新版】矯正装置の種類と違い|マウスピース・ワイヤー・裏側矯正の比較
受け口は抜歯で治すべき?抜歯が向くケース・向かないケース

受け口の治療では、「歯を抜いたほうがよいのか」と悩む方も多くいます。
ここでは、抜歯が向くケースと向かないケースについてお伝えします。まず知っておきたいのは、受け口では基本的に、歯を並べるための抜歯が向かない場合が多いということです。冒頭でご紹介した患者様も、親知らず以外は抜かない非抜歯で治療しました。
なぜ抜歯が向きにくいのでしょうか。上の歯を抜いてしまうと、上の前歯が後ろへ下がり、かえって受け口が改善しにくくなることがあります。また、下の歯だけを抜く方法にも注意が必要です。下の歯を抜いてそのスペースを閉じると、奥の歯が前へ動いてしまいます。すると、一番奥の歯が噛み合わなくなる「シングルバイト」という特殊な仕上がりになることがあります。奥歯は食事のときに大切な役割を持つため、噛み合わないのは避けたい状態です。
こうした理由から、受け口では非抜歯が向くケースが多くなります。
ただし、例外もあります。歯のがたつき(叢生)が強く、歯を並べるスペースがそもそも足りない場合には、上下の歯を抜く抜歯矯正が必要になることもあります。叢生とは、歯が重なり合ってでこぼこに並んでいる状態のことです。自分の受け口が抜歯に向くかどうかは、歯並びの状態によって変わります。
抜歯と顔の変化の関係については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
>>歯列矯正で抜歯すると顔変わる?変化する人としない人の違いを認定医が解説
受け口の治療で後悔しないために|手術なし矯正の限界・後戻り対策と当院の体制

ここまで、手術を避けて受け口を治せた例をお伝えしてきました。最後に、治療で後悔しないために知っておきたいことをまとめます。矯正で対応できる受け口がある一方で、すべての受け口が手術なしで治せるわけではありません。限界を正しく知ることも、後悔しない治療につながります。
また、受け口は治療後に後戻りしやすい傾向があります。整えた噛み合わせを保つための工夫も欠かせません。ここでは、手術なし矯正の向き・不向き、後戻りを防ぐ保定、そして手術と矯正の両面から判断できる体制について、お伝えします。
手術なしの矯正には向き・不向きがある
矯正で受け口を治せるケースがある一方で、矯正だけでは対応が難しいケースもあります。あごの骨のズレが大きい場合、無理に矯正だけで進めようとすると、噛み合わせが安定しなかったり、時間がかかりすぎたりすることがあります。
そのため、大切なのは、歯を動かせる量を正しく見極める診断です。動かせる量を超えていれば、手術のほうが適していることもあります。矯正で対応できると見込めるかどうかを、ていねいに見極めたうえで、手術が向いていると考えられる場合には、そのことを正直にお伝えします。向いていないときははっきりお伝えすることが、誠実な診療だと考えています。
後戻りを防ぐための保定(リテーナー)
受け口は、治療が終わったあとに後戻りしやすい歯並びのひとつです。そのため、整えた噛み合わせを保つ保定という工程が欠かせません。保定では、リテーナーという装置を使って、歯が元の位置へ戻らないように支えます。
特に、舌で前歯を押す癖がある場合は注意が必要です。無意識のうちに前歯を押し出す動きが続くと、後戻りにつながることがあります。こうした癖がある方には、治療のなかでその動きにも目を向けていきます。矯正は、歯を動かして終わりではありません。動かしたあと、その位置を保つところまで含めて、はじめて安定した噛み合わせになります。
後戻りのしくみや予防法については、マウスピース矯正を例にした記事でも解説しています。
>>マウスピース矯正は後戻りしやすい?後戻りしたときの対処や予防法について解説
手術と矯正の両面から判断できる診療体制
受け口の治療方針を考えるうえで、手術と矯正の両方を知る歯科医院に相談できると安心です。当院は院長・副院長がともに日本矯正歯科学会認定医であり、矯正の専門的な知識と経験をもとに、一人ひとりの受け口に向き合っています。
さらに、顎変形症の外科矯正にも対応しています。手術という選択肢も、矯正という選択肢も、どちらも扱えるからこそ、どちらか一方に偏ることなく方針を考えられます。他院で手術が必要と言われた方でも、動かせる量を見直すことで、別の道が見えることがあります。このページでご紹介した患者様が、まさにそうでした。手術と矯正、どちらが自分に合っているのか。迷う段階からご相談いただけます。
まとめ:受け口の矯正治療は「手術ありき」とは限りません

受け口の治療には、あごの骨を動かす手術という選択肢があります。骨格のズレが大きいケースでは、手術が適していることもあります。一方で、他院で「手術が必要」と言われた方でも、歯を動かせる量の見立てによっては、手術も抜歯もせず矯正だけで改善できる場合があります。
冒頭でご紹介した患者様は、5mmほどの大きな遠心移動が必要なケースでしたが、カリエールとマウスピースを組み合わせることで、約1年半で噛み合わせを整えることができました。大切なのは、自分の受け口が手術と矯正のどちらに向いているのかを、歯を動かせる量まで踏み込んで、正確に診てもらうことです。
手術と言われて迷っている段階でも、急いで結論を出す必要はありません。ご自身のペースで、まずは一度、相談・カウンセリングで見立てを聞いてみてください。一人ひとりに合った治療の道を、一緒に考えていきます。
監修歯科医師
小田垣 直弥
院長
マウスピース矯正や裏側矯正、口ゴボの改善などの難症例を得意としています。矯正歯科医として、患者様一人ひとりの骨格や顔立ちに合わせた治療を心がけています。特に、見た目にこだわる大人の方には「見た目に矯正中だとわかりにくく、仕上がりにも妥協しない治療」を大切に、日本矯正歯科学会認定医として丁寧な診断とご提案を行っています。
マウスピース矯正や裏側矯正、口ゴボの改善などの難症例を得意としています。矯正歯科医として、患者様一人ひとりの骨格や顔立ちに合わせた治療を心がけています。特に、見た目にこだわる大人の方には「見た目に矯正中だとわかりにくく、仕上がりにも妥協しない治療」を大切に、日本矯正歯科学会認定医として丁寧な診断とご提案を行っています。


