06-6912-2888

火水金
12:00〜19:30
土日
10:00〜19:00

出っ歯の抜歯矯正とは|オーバージェット10mmの症例で見る「抜く歯の選び方」と口元が変わる仕組み

矯正コラム

2026.07.10

2026.07.10

出っ歯の治療を考えるなかで、「抜歯が必要」と言われ、健康な歯を抜くことへの迷いを感じていませんか。

口元がどこまで変わるのか、抜いたあとに後悔しないかと、不安が重なる方も多くいらっしゃいます。一度抜いた歯は元に戻らないからこそ、慎重になるのは自然なことです。

この記事では、一般的な解説を並べる前に、実際の症例をひとつ取り上げます。18歳・女性で、主訴は口元の突出(出っ歯)。診断は上顎前突と下顎後退で、オーバージェットは約10mmという、前後差の大きいケースでした。オーバージェットとは、上の前歯が下の前歯より前に出ている距離のことです。

この方の治療を追いながら、出っ歯の抜歯矯正で「どの歯を、なぜ抜くのか」「口元がどう変わるのか」を具体的に見ていきます。「自分の出っ歯も抜歯が必要なのだろうか」という疑問に、症例を通して一緒に向き合っていきましょう。

目次

出っ歯の抜歯矯正を、実際の症例から見ていきます

こちらは当院で出っ歯の抜歯矯正を受けた18歳・女性の症例です。

主訴は口元の突出で、口が閉じにくいという悩みを抱えていらっしゃいました。まずは治療前と治療後で口元がどれだけ変わったかを、上の画像でご覧ください。このあと、診断の内容、抜く歯の選び方、装置の決め方を順番に解説します。

一般的な情報だけでは見えにくい実際の治療の流れを、この方の経過から具体的にお伝えします。出っ歯の抜歯矯正がどのように進むのか、一緒に見ていきましょう。

18歳・女性、主訴は「口元の突出(出っ歯)」

治療前_口腔内画像/笑顔

この方の主訴は、口元の突出でした。前歯が前に出ていることで唇が閉じにくく、力を入れないと口を閉じられない状態です。お口の中を詳しく見ると、いくつかの所見が重なっていました。

上の歯が並ぶ部分(上顎歯列弓)が狭く、上下の歯にも軽度の叢生(歯の重なり)が見られます。前歯どうしがうまく噛み合っておらず、笑ったときに歯茎がやや多めに見える軽度のガミースマイルもありました。重度ではありませんが、標準より歯茎が見える状態です。

出っ歯という一つの言葉の裏に、複数の状態が同時に存在していたことになります。

診断は「上顎前突+下顎後退」、オーバージェットは約10mm

精密検査の結果、診断は上顎前突と下顎後退でした。これは、上顎の骨が前方に突出し、下顎の骨が小さい状態を指します。前歯だけの問題ではなく、骨格の前後差が関係しているケースです。上下の前歯の距離を示すオーバージェットは約10mmで、標準よりかなり大きい値でした。さらに正貌セファロという正面のレントゲン分析では、顎の骨に左右差(非対称)も確認されています。この点は手術なしでは改善が難しいため、治療を始める前にあらかじめご説明したうえで進めました。

できることと難しいことを最初に共有することを、診断では大切にしています。

参考:「口ゴボかも」と感じたら|Eライン・骨格から診る口ゴボ矯正の診断と改善法

治療後に口元はどう変わったか

治療前_口腔内写真
治療後_口腔内写真
治療後の変化(笑顔)

ご覧の通り、歯列の突出感が改善されたことで、治療後は前に出ていた口元が後退し、唇が自然に閉じやすくなりました。正面から見た際に歯茎が大きく見えていたのも改善され、お口元が綺麗に見えるようになったかと思います。

気になっていた口元の突出が和らぎ、横顔の印象も変化しています。軽度のガミースマイルについても、外科手術を行わず矯正治療のみでかなり改善しました。骨格の左右差など、矯正だけでは届きにくい部分は残りますが、口元の見た目という主訴に対しては大きな変化が得られたケースです。

ここからでは、この変化を生み出すために「どの歯を、なぜ抜いたのか」「口元をどう後退させたのか」という治療の中身を、順を追って解説していきます。

そもそも出っ歯は、なぜ抜歯が必要になるのか

そもそも出っ歯は、なぜ抜歯が必要になるのか

症例から少し視野を広げて、出っ歯で抜歯が検討される理由を見ていきます

最初にお伝えしたいのは、すべての出っ歯が抜歯になるわけではないということです。歯の重なりが軽い場合や、もともと隙間がある場合は、抜かずに治せることもあります。一方で、歯を並べるスペースが足りないとき、前歯を大きく後退させたいとき、骨格に前後差があるときは、抜歯が選択肢に上がりやすくなります。

ここでは、この3つの理由を、先ほどの症例の所見と結びつけながら解説します。次から順番に見ていきましょう。

歯を並べるスペースが足りないとき(叢生)

顎の大きさに対して歯が並ぶスペースが不足していると、歯どうしが重なって並びます。この重なりを叢生と呼びます。

スペースが足りないまま無理に歯を並べると、かえって歯が前に押し出され、口元が突出することがあります。こうした場合は、歯を抜いて隙間を作り、その空いた場所を使って歯をきれいに並べていきます。

先ほどの症例にも、上下に軽度の叢生がありました。歯を並べる土台が狭いケースでは、抜歯がスペース不足を補う有力な方法になります。ただし、叢生の程度は人によって大きく異なるため、抜くかどうかは検査結果をもとに判断します。

前歯を後ろに下げて口元を引っ込めたいとき

出っ歯の改善では、前に出ている前歯を後退させる必要があります。前歯を後退させるには、その移動先となるスペースが欠かせません。

歯がぎっしり並んだ状態では後退させる余地がないため、抜歯でスペースを作り、そこを使って前歯を後ろに動かしていきます。

先ほどの症例では、口元の突出が主な悩みでした。そのため抜歯の主な目的は、歯を並べることよりも、口元を後退させるスペースを確保することにありました。「歯を整えるため」だけでなく「口元を後退させるため」に抜歯を選ぶことがある、という点を知っておくと、治療方針が理解しやすくなります。

骨格的な出っ歯(上顎前突)で、歯の傾きだけでは収まらないとき

出っ歯には、歯の傾きが主な原因のものと、顎の骨格そのものに前後差があるものがあります。骨格に前後差があるケースでは、歯を動かすだけでは届きにくい部分が残ることがあります。

先ほどの症例も、上顎前突と下顎後退という骨格の診断がついていました。こうした場合、治療方針の選び方がより重要になります。

歯の移動でどこまで近づけるか、骨格そのものに踏み込むかで、選べる道が変わってきます。

次では、骨格から根本的に改善を目指す外科的矯正という選択肢について解説します。

根本的な改善を目指す「外科的矯正」という選択肢

骨格の前後差が大きい場合、下顎の骨を前に出す手術を併用する外科的矯正が、根本的な解決策として検討されることがあります。ただし、手術を希望される方は多くありません。希望される場合は、顎変形症という診断のもとで保険適用となるケースもあります。

先ほどの症例では、ご本人が手術を希望されなかったため、矯正治療のみで口元の改善を目指す方針をとりました。

外科を伴う方法と矯正のみの方法では、変えられる範囲や体への負担が異なります。どちらが向いているかは、骨格の状態とご本人の希望をふまえて、多角的に検討していきます。

参考:整形で口ゴボを治す方法|セットバック・外科矯正・歯列矯正の違いをわかりやすく解説

今回の出っ歯の症例で「どの歯を、なぜ抜いたのか」

ここからは、この記事の中心となる抜歯計画を見ていきます。

「小臼歯を抜く」と説明されることは多いものの、なぜその歯を選ぶのかまで知る機会は意外と少ないものです。先ほどの症例では、上顎の小臼歯を2本抜き、さらに右上の奥歯を1本追加で抜くという、左右で異なる計画を立てました。

なぜこの組み合わせになったのかを、一つずつ解説します。抜く歯がどう決まるのかを知ることで、ご自身の治療を考えるときの手がかりになります。出っ歯の抜歯矯正の中身を、次から詳しく見ていきましょう。

基本は上顎の小臼歯(4番)を2本抜くこと

上顎が前に出ている傾向のあるケースでは、上顎の第一小臼歯を左右2本抜くのが、昔から確立された基本的な方針です。

第一小臼歯は前から数えて4番目の歯で、4番と呼ばれます。前歯と奥歯のあいだに位置するため、ここを抜くと前歯を後ろへ下げるスペースが生まれます。先ほどの症例も、この基本に沿って上顎の4番を2本抜きました。

上下のバランスを見ながら、まずは標準的な抜歯位置から計画を組み立てていきます。教科書どおりの土台があるからこそ、そこに症例ごとの調整を重ねられます。

次は、下の歯を抜かなかった理由を見ていきます。

なぜ下の歯は抜かなかったのか

抜歯と聞くと、上下とも均等に抜くイメージを持つ方もいらっしゃいます。しかしこの症例では、下の歯は抜きませんでした。理由は、下顎がもともと小さく、上下の前後のズレが大きすぎたためです。上下とも抜いてしまうと、下下顎前歯が後退することで上下の前後のズレがさらに大きくなり、噛み合わせのバランスが崩れる可能性があります。

そこで、上だけを抜いて上顎の前歯を後退させ、下顎の位置に上顎を合わせていく方針をとりました。上下で抜く本数が変わる片顎抜歯でも、しっかり噛み合わせを作れます。

前後のズレの大きさに合わせて、抜く範囲を決めていきます。

右上の7番を追加で抜いた、左右で異なる抜歯計画

この症例の特徴は、右上の第二大臼歯(7番)を追加で抜いたことです。

7番は一番奥の大きな歯にあたりますが、過去の虫歯治療の影響で非常に状態が悪く、将来的に長持ちしないことがすでに予測できている状態でした。そのため、矯正と同時に7番を抜歯し、8番(親知らず)が生えてくるのを促して、本来7番が位置する箇所に8番の親知らずを移動させるという少し特殊な方法をとっています。

一方、左上は歯の状態が良く、神経も残っていたため抜きませんでした。

その結果、右側だけ奥歯を抜くという、左右で異なる抜歯計画になっています。左右の歯の状態を一本ずつ見極めて、抜く歯を個別に判断していくことが、仕上がりの違いにつながります。

同じ出っ歯でも、抜歯計画は一人ひとり変わってきます。

出っ歯の矯正治療で口元を最大限後退させるための工夫

出っ歯の矯正治療で口元を最大限後退させるための工夫

抜歯でスペースを作っても、そのスペースをどう使うかで仕上がりは変わります。先ほどの症例では、口元をできるだけ後退させるために、いくつかの工夫を重ねました。

前歯を下げるだけでなく、奥歯を後ろへ動かし、さらにアンカースクリューという小さな固定源を活用しています。アンカースクリューとは、歯を動かすための土台として顎の骨に固定する小さなネジのことです。

ここでは、口元を大きく後退させるための具体的な仕組みを、順番に解説していきます。詳しく見ていきましょう。

抜いたスペースを「前歯の後退」だけで埋めない理由

抜歯でできたスペースは、前歯を後退させることで埋めていきます。

ただ、前歯の後退だけでは、口元を大きく引っ込めたい場合に届かないことがあります。スペースの量には限りがあるため、前歯を後退させることができる距離も自然と決まってしまうからです。

先ほどの症例は、オーバージェット(上下の前歯の距離)が約10mmと大きく、口元の突出をしっかり改善したいケースでした。前歯を下げるだけでは後退量が足りないと見込まれたため、別の方法でスペースを上乗せする必要がありました。

どこまで口元を後退させられるかは、確保できるスペースの量で変わってきます。

奥歯を後ろに動かす「遠心移動」でスペースを上乗せする

スペースを上乗せする方法が、奥歯を後ろへ動かす遠心移動です。遠心移動とは、歯を奥の方向へ動かすことを指します。奥歯が後ろへ下がると、その前にある歯も連動して後ろへ動かせる余地が生まれます。

ここで関わってくるのが、先ほど触れた右上7番の抜歯です。いちばん奥の歯がない状態だと、その手前の奥歯を後方へ動かしやすくなります。つまり右上7番を抜いたのは、奥歯の遠心移動をしやすくし、口元を後退させるスペースをさらに確保する意味もあります。

前歯を下げる動きと、奥歯を後ろへ動かす動きを組み合わせることで、より大きな後退量を目指します。

アンカースクリューを固定源にして上下の歯を動かす

奥歯を後ろへ動かすには、しっかりした固定源が欠かせません。そこで使うのがアンカースクリューです。先ほどの症例では、上下の歯にプレシジョンカットという小さな切り込みを設け、そことアンカースクリューのあいだにゴムをかけました。このゴムの力で、上下の歯を奥へと動かしていきます。

単純な遠心移動だけなら、アンカースクリューを使わないこともあります。ただ、口元を目一杯後退させたい場合は、上下にアンカースクリューを設けることで、大きな移動を支えられます。

ネジと聞くと不安を感じる方もいらっしゃいますが、小さな固定源として役立つ装置です。

記事:矯正用アンカースクリューは痛い?怖い?「骨にネジ」と聞いて不安な方へ、仕組みと役割を徹底解説

マウスピース矯正(インビザライン)で出っ歯の抜歯矯正はできるのか

マウスピース矯正(インビザライン)で出っ歯の抜歯矯正はできるのか

ここまでの治療を、この症例ではマウスピース矯正のインビザラインで行いました。

抜歯を伴う出っ歯の治療は、マウスピースでは難しいと感じている方も多いかもしれません。一般には、大きな移動を伴うケースでワイヤー矯正が選ばれやすい傾向があります。それでも、条件が整えばマウスピース矯正で対応できる場合があります。

ここでは、なぜ難しいと言われるのか、どうすれば対応できるのか、そして治療計画をどう作り込むのかを解説します。出っ歯のマウスピース矯正を考えている方は、ぜひ続けてご覧ください。

「マウスピースでは難しい」と言われやすい理由

抜歯を伴う出っ歯の治療では、前歯を大きく後退させ、奥歯も後ろへ動かす必要があります。こうした大きな移動を伴うケースでは、一般にワイヤー矯正が選ばれやすい傾向があります。

マウスピースは取り外しができる反面、決められた装着時間を守れないと、計画どおりに歯が動きにくくなるためです。「マウスピースでは出っ歯の抜歯矯正は難しいのでは」という不安を抱く方が多いのも、こうした背景があります。

装置にはそれぞれ得意な動きと苦手な動きがあります。どの装置が向いているかは、歯並びの状態やご本人の希望をふまえて選んでいくものです。

アンカースクリューを併用すれば対応できるケース

マウスピース矯正は、実は歯を奥へ動かす遠心移動を得意とする装置です。単純な遠心移動であれば、アンカースクリューを使わずに対応できることもあります。

一方で、この症例のように口元を最大限後退させたい場合は、上下にアンカースクリューを併用することで、大きな移動を支えられます。

先ほどの症例では、ワイヤーでもマウスピースでも対応可能とご説明しました。そのうえで、ご本人がインビザラインを希望されたため、マウスピース矯正で進めています。

固定源を組み合わせることで、マウスピースでも抜歯ケースに対応できます。装置の選択肢は、患者様の想像より幅があります。

治療計画(クリンチェック)をそのまま承認しない理由

マウスピース矯正の仕上がりは、治療計画の作り込みで変わってきます。

インビザラインでは、クリンチェックという歯の動きのシミュレーションをもとに治療を進めます。先ほどの症例では、インビザライン社から届いたクリンチェックをそのまま承認せず、何週間もかけて修正しました。狭くなりがちだった歯列弓を広げ、前歯を後退させる量をしっかり確保しています。

当初はマウスピースを93枚使う計画でしたが、修正を重ねることでこれを55枚へと減らしました。枚数が多いと歯を動かすペースが遅くなり、ズレも生じやすくなり、治療期間が長引くため患者様のご負担も増加します。適正な枚数に収める計画づくりが、安定した仕上がりにつながります。

参考:インビザラインとワイヤー、どっちが良い?早さ、安さ、綺麗さなどわかりやすく解説

院内で製作する「インハウスアライナー」という選択肢

今回の症例はインビザラインで行いましたが、選択肢はそれだけではありません。

当院には、院内で製作するインハウスアライナーという装置もあります。治療の途中で計画を微調整するリファインメントは、インビザラインでは通常1ヶ月ほどかかります。インハウスアライナーなら、これを1週間程度で行えます。リファインメントは多くの場合で1回以上は必要になるため、その分だけ治療期間の短縮につながります。

インビザラインのような枚数の制限がなく、柔軟に対応できる点も特徴です。なお、インハウスアライナーとインビザラインは治療開始前に選ぶ必要があり、途中で切り替えることはできません。優先したいことに合わせて、最初に一緒に選んでいきます。

参考:【2026年最新版】矯正装置の種類と違い|マウスピース・ワイヤー・裏側矯正の比較

出っ歯の抜歯矯正で知っておきたいこと(期間・顔の変化・後戻り)

出っ歯の抜歯矯正で知っておきたいこと(期間・顔の変化・後戻り)

出っ歯の抜歯矯正を考えるとき、多くの方が気にされるのが、治療期間・顔の変化・後戻りの3点です。

良い面だけでなく、注意したい点もあわせて知っておくことで、納得して治療を選べます。先ほどの症例では、約2年4ヶ月の治療で口元が後退し、ガミースマイルも改善しました。一方で、抜歯には期間が延びやすい面や、口元が変わることへの注意点もあります。

ここでは、この3点を症例の経過と結びつけてお伝えします。次から順番に見ていきましょう。

出っ歯の抜歯矯正の治療期間の目安(この症例は2年4ヶ月)

抜歯を伴う矯正は、歯を抜いた隙間を閉じる時間がかかるため、抜かない場合より期間が延びやすい傾向があります。先ほどの症例では、治療期間は約2年4ヶ月でした。最終的な仕上がりの承認まで、計画的に歯を動かしています。

2年4ヶ月は長い治療に感じられるかもしれませんが、約1年の時点ですでに口元の変化を実感できました。途中経過でも口元の写真を撮り、患者様と変化を一緒に確認しながら進めています。今どこまで進んだのかが見えると、見通しが持ちやすくなります。

患者様ごとの症例によって矯正治療の期間の目安は変わるため、都度検査をもとに期間についてお伝えしております。

抜歯で顔・口元はどう変わるか/引っ込みすぎへの注意

抜歯矯正で前歯が後退すると、口元のボリュームが減り、横顔の印象が変わることがあります。

先ほどの症例では、前に出ていた口元が後退し、軽度のガミースマイルも手術を伴わず改善しました。一方で、抜歯による変化には注意したい面もあります。

前歯を後退させすぎると、口元が引っ込みすぎたり、人によってはほうれい線が気になったりすることがあります。どこまで下げるかは、骨格や唇の厚みによって、ちょうどよい位置が変わります。

変化の出方には個人差があるため、患者様と理想のゴールを共有しながら、後退量を見極めていきます。

参考:歯列矯正で抜歯すると顔が変わる?変化する人としない人の違いを矯正認定医が解説

参考:抜歯矯正で口元が引っ込みすぎる原因とは?後悔しないためのポイント

後戻りを防ぐ保定(リテーナー)の大切さ

矯正は、装置を外したら終わりではありません。動かしたばかりの歯は、元の位置へ戻ろうとする性質があります。これを後戻りと呼びます。

せっかく後退させた口元や、整えた噛み合わせを保つためには、保定という工程が欠かせません。保定では、リテーナーという装置を使って、歯の位置を安定させていきます。保定を続けるかどうかで、長い目で見た仕上がりの安定が変わってきます。

出っ歯の抜歯矯正でも、治療後の保定まで含めて計画を立てることが大切です。動かす期間と同じように、安定させる期間も治療の一部だとお考えください。

矯正治療での抜歯への不安を感じている方へ

矯正治療での抜歯への不安を感じている方へ

健康な歯を抜くことに、ためらいを感じるのは自然なことです。一度抜いた歯は戻らないからこそ、迷う気持ちは大切にしていただきたいと思います。ここまで見てきたように、抜く歯は一人ひとりの歯の状態と骨格に合わせて、慎重に選ばれます。

先ほどの症例でも、上顎の小臼歯を2本、右上の奥歯を1本という組み合わせは、検査結果をもとに一本ずつ見極めて決めたものです。抜く必要のない歯まで抜くことはありません。診断のデータをもとに、なぜその歯を抜くのか、抜いたあとに口元がどう変わるのかを、ご説明したうえで進めていきます。

鶴見ニコ矯正歯科では、院長と副院長がそれぞれ日本矯正歯科学会の認定医として在籍しています。診断と治療計画に時間をかけ、多角的に検討する体制を整えています。

抜歯を迷っている段階でも、無理に進める必要はありません。まずは現状を一緒に確認するところから始められます。ご自身が納得できるかどうかを、何より大切にしてください。

まとめ:出っ歯の抜歯矯正は「どの歯をなぜ抜くか」で仕上がりが変わります

まとめ:出っ歯の抜歯矯正は「どの歯をなぜ抜くか」で仕上がりが変わります

出っ歯の抜歯矯正では、抜く歯の選び方、抜いたスペースの使い方、装置の設計が、仕上がりを大きく左右します。

今回ご紹介した症例は、オーバージェットが約10mmという前後差の大きいケースでした。それでも、上顎の抜歯に奥歯の遠心移動を組み合わせ、アンカースクリューを併用したマウスピース矯正で、口元とガミースマイルを改善できました。左右で異なる抜歯計画や、治療計画の作り込みなど、一つひとつの判断が結果につながっています。

「自分の出っ歯はどう治せるのか」という疑問は、検査と診断を受けて初めて、具体的な答えが見えてきます。治療を始める前の段階であれば、抜歯が必要かどうか、どの装置が向いているかを、一緒に確認できます。急いで決める必要はありません。ご自身のペースで、まずはご相談からお考えください。

監修歯科医師

小田垣 直弥

院長

マウスピース矯正や裏側矯正、口ゴボの改善などの難症例を得意としています。矯正歯科医として、患者様一人ひとりの骨格や顔立ちに合わせた治療を心がけています。特に、見た目にこだわる大人の方には「見た目に矯正中だとわかりにくく、仕上がりにも妥協しない治療」を大切に、日本矯正歯科学会認定医として丁寧な診断とご提案を行っています。

マウスピース矯正や裏側矯正、口ゴボの改善などの難症例を得意としています。矯正歯科医として、患者様一人ひとりの骨格や顔立ちに合わせた治療を心がけています。特に、見た目にこだわる大人の方には「見た目に矯正中だとわかりにくく、仕上がりにも妥協しない治療」を大切に、日本矯正歯科学会認定医として丁寧な診断とご提案を行っています。

来院をお考えの方へ

火・水・金 12:00〜19:00

土・日 10:00〜19:00

鶴見ニコ矯正歯科

〒538-0052
大阪市鶴見区横堤2丁目23-5
一徳ビル2F
大阪メトロ地下鉄長堀鶴見緑地線
「横堤駅」2番出口隣

AI Chat
診療内容・予約・費用・治療例のことなどAIにご相談ください